- TOP
- 日常生活で注意することは?
- クローン病患者さんの日常
クローン病患者さんの日常
- 監修:慶應義塾大学医学部 名誉教授
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター
特別顧問 日比 紀文 先生 - 関西医科大学 内科学第三講座 教授 長沼 誠 先生
日常生活の留意点
生活のなかで注意すること
仕事や日常での運動を含め、病気を理由に日常生活を制限する必要はありません。だからといって翌日にまで疲れを持ちこすような無理は禁物です。
クローン病の症状は過労や過度のストレスによって悪化する場合がありますので、日々の生活においては適度な安静と十分な睡眠をとり、ストレスのない生活を送るようにしましょう。趣味の時間を楽しむなどストレスをためないよう、自分なりの対処法を身につけておくことも大切です。
禁煙に努めましょう
喫煙はクローン病の悪化や再燃の原因になることが報告されています。現在、喫煙の習慣をお持ちの方はできるだけ禁煙に努めましょう。
食事での注意点
クローン病患者さんの食生活では、栄養バランスのよい食事を規則正しく摂取することが基本となります。一般的には低脂肪・低残渣(繊維分が少ない)食がすすめられていますが、寛解期(症状が落ち着いている時期)においてはそれほど神経質にならなくても大丈夫です。
ただし、患者さんによって病変部位や消化吸収機能は異なりますから、念のため自分の病態(下痢、腹痛、膨満感など)に悪影響を及ぼす食品は把握しておいた方がよいでしょう。
海外での食事に対する考え方
海外ではクローン病の患者さんに食事制限が必要であるとは考えられていません。しっかりとした治療で病状をコントロールし、寛解を維持している間は、家族や友人とごく普通に食事を楽しんでいます。大切なことは体調を管理し、バランスのとれた健康的な食生活を送ることだと考えられています。
アメリカのクローン病患者さん向け情報団体
CCFA(CROHN’S & COLITIS FOUNDATION OF AMERICA)サイトより抜粋
Diet and Nutrition(食生活と栄養摂取)
First of all, you may be surprised to learn that there is no evidence that anything in your diet history caused or contributed to these diseases. Once you develop IBD, however, paying special attention to what you eat may go a long way toward reducing symptoms and promoting healing.
(訳)驚かれるかもしれませんが、食べた物が原因でこの病気が引き起こされるという証拠はありません。しかしながら、この病気になった場合、食べ物に気をつけることは症状を和らげたり治癒を早めることに役立つでしょう。
Is there a special diet for people with IBD?
(炎症性腸疾患の患者さんの特別な食生活とは?)
The key point is to strive for a well-balanced, healthy diet. Healthy eating habits, of course, are desirable for everyone but they're especially important for people with IBD.
(訳)大切なのはバランスの取れた健康によい食事を心がけることです。もちろん、健康的な食生活は何も炎症性腸疾患の患者さんに限ったことでなく、すべての方にとって好ましいことですね。