「開示した」
大学4年の時と大学院生の時、2回就職活動をして、どちらも面接の時に病気のことを開示。 1回目は「小腸に炎症が…」「食事に気をつけないと…」などと、詳細に話したところ面接官にイヤな顔をされ、伝え過ぎたことを反省。2回目は、「通院が必要ですが健康管理はできています。仕事を計画通り進めるのは得意です」と伝え方を変えた。
ほかの患者さんの経験を知ることで、自分の悩みを解決する糸口を見つけたり、ヒントを得ることができます。是非、ご参考ください。
※パネリスト名は、すべてハンドルネームです。
「開示した」
大学4年の時と大学院生の時、2回就職活動をして、どちらも面接の時に病気のことを開示。 1回目は「小腸に炎症が…」「食事に気をつけないと…」などと、詳細に話したところ面接官にイヤな顔をされ、伝え過ぎたことを反省。2回目は、「通院が必要ですが健康管理はできています。仕事を計画通り進めるのは得意です」と伝え方を変えた。
「開示していない」
今は内定した企業にアルバイトとして働いているが、病気のことは伝えていない。面接の限られた時間で、病気のことを誤解なく伝えるのは難しい。「IBDです」と言っても「え、難病?」とビックリされそう。仕事をしていく中で、ゆっくり理解してもらうのが一番だと思っている。
「開示した」
後で知られて何か言われるのがイヤなので、エントリーシートにも書いたし、面接でも話した。そのうえで採用されると、本気で会社に貢献したいという気持ちになるから。エントリーシートに病名を書いたために落ちた、ということはないはず。
「状況により自分で判断を」
入社後に入院、復帰してからは人事に異動し、主に新卒採用を担当。病気を会社がどう解釈・評価するか分からないので、特に会社から開示を求められなかった場合はいつ病気を開示するかは難しいと思う。病気を開示するタイミングがないまま内定をもらったら、状況を見ながら開示する事を考えてみても良いと思う。
【就活中の病気の開示】
ディスカッションサマリー
・最初から情報をオープンにして「良縁」のある企業を選択する
・開示する前に内定をもらったら、相談する事を考えてみても良い
・仕事をしていく中で理解されるよう努める
「プライベートを充実させた」
自分が否定されたようなダメージを受けた時は、好きな映画や舞台を観てストレスを発散。また、思いを共有できる友人と出会うことでこれまでの自分が認められた気がして、気持ちを切り替えられた。
「意識を変えた」
ストレスは体調に影響するので、ストレスを乗り越えようと頑張りすぎるのは良くないと思う。就活は自分を磨くきっかけ。企業に選ばれるために努力するのではなく、自分に合う企業はどこか探すのが就活だと、意識を変えてみるのも良いかも。周りにいる大人たちはみんな乗り越えてきているのだからどうにかなるはず、と気負いすぎないことも大事。
「開き直って努力した」
就職活動中、いっぱい落ちたので不安がストレスになった。でも深く考えすぎると、さらにストレスがかかってしまう。なんとかなるんじゃないかと開き直って、努力するようにしていた。
「家族に話した」
緊張したとか大変だったということを、家族に聞いてもらいました。これから就活の方は、最初から受ける企業や業種を絞り込みすぎなくても良いかと思う。面接で病気を開示した時の反応が見られるかもしれないし、面接官と話していて意外に良縁に発展する可能性もあるので。
【ストレスへの対応】
ディスカッションサマリー
・家族や友人など、人とのコミュニケーションで発散する
・なんとかなると考えて努力する
・「選ばれる」ためではなく「成長のため」の努力と捉える
不安でいっぱいの就職活動には、ストレスがつきものです。状況の解釈を変える・意識を変えるという考えは、これから就活をする方にとって良いヒントになると思いました。
「必要に応じて伝えた」
組織のトップはみなさん知っていて、同じ部署の人には聞かれれば言うスタンス。難病というだけで不安に感じる方もいるので、受け止め側への配慮をしつつ必要な場合は伝えるようにしている。お昼に上司と外で食事をする時には、和食のお店やファミリーレストランに入って、食べられるメニューを選んでいる。定期的に通院しているが、次の通院までに仕事をコントロールしているので、「また休むの?」とは言われない。
「すべてオープンに」
病気への理解を得た方が仕事もやりやすいので、完全に情報をオープンにしている。病気があっても仕事ができたらかっこいいと自分に言い聞かせている。通院は有休を使って。以前、半年ほど入院したためその後の有休がなくなったことがあったが、その時は産業医と相談して特別休暇扱いにしてもらった。
「開示することで有利に」
勤務先が製薬会社なので、周りのみなさんが病気への理解があるのでストレスはない。むしろ患者だからわかることを質問されたりして、頼りにされている状況。
「どう伝えるか考え中」
接客業なので、お腹が痛くなるなどと伝えづらい。昼食の誘いが心配だが、お弁当を持参したりダイエットしていると伝えたりすれば大丈夫ではないか。通院は、平日に休めるシフト制なので問題ない。
【病気と会社生活について】
ディスカッションサマリー
・すべて開示すると仕事も平日の通院もスムーズに
・昼食は持参するなど、体調に合わせて調整する
・病名の開示は受け止め側への配慮をもった上で
業界や職種、また企業規模によって仕事する環境はさまざまですが、みなさん病気をハンデと捉えず、柔軟に付き合っていらっしゃるように感じました。
「病状のコントロール」
管理栄養士の資格を持っていて、病状をコントロールするのに役立っている。資格とは関係のない仕事をしているが今は在宅ワークの環境が整っている企業も増えて、できる仕事の幅も広がってきているので、病気にとらわれなくてもいいかと思う。
「興味のあることを追求」
資格はあるに越したことはないが、興味のない資格を取っても意味がないと思う。興味があることを極めていくことが一番。
「体調の把握」
環境の変化が知らないうちにストレスになっていて病気が再燃したので、過去にどんな時に症状がでたかを把握しておくと良い。また働く先がどんな社風や環境なのかは説明会だけではわからないので、OBやOGに相談して確認しておくと安心。
「秘書検定」
個人的に勉強をしている秘書検定の知識は、ビジネスマナーや文書の取り扱いなどが備わったものなので、IBDの方に限らず勉強しておくと社会人になった時に自信が持てると思う。病気だから全部ダメっていう訳ではないし、病気だからこそできるようになること、見えることもあるはず。
【就業に役立つ資格・スキル】
ディスカッションサマリー
・自分の体調をコントロールできる力をつける
・興味のあることを見つけて極めていく
・ビジネスの基本知識を身につけて自信をつける
お話を伺っていて、大事なのは資格そのものではなく、仕事に対する前向きな気持ちが大事だと感じました。持病のあるなしに関わらず、ご自身の体調管理こそ社会で働くための重要なスキルと言えるのではないでしょうか。
就職活動を経験された4名の方に、それぞれ異なった立場や視点から率直にお話しいただきました。病気とともに働くのは困難も多いと思われますが、みなさんとても力強く柔軟に仕事と向き合って活躍されています。そして、病気をコントロールできれば、どんな可能性も広がっていることを教えていただいたように感じました。
就職活動を控えているみなさん、ぜひ参考になさってください。
みなさんそれぞれの体調や立場から考えが導かれていて、どれも正しいと言えるのではないでしょうか。病気のことをご存じでない方への伝え方を工夫するという意見にも、深く頷かされました。