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クローン病の原因
- 監修:医療法人錦秀会 インフュージョンクリニック院長
伊藤 裕章 先生
原因不明だが免疫機能に異常
クローン病の原因については、まだはっきりとわかっていませんが、腹痛や下痢などの原因は、腸の中で起こる炎症です。最近の研究で、クローン病患者さんの腸管では免疫に異常がみられ、そのことで自分の腸を傷つけてしまう(炎症が起こる)ことがわかってきました。
炎症にはさまざまな生体内物質が関与しますが、特に重要な役割を果たしているのが、TNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)というサイトカインであることがわかりました。サイトカインはホルモンのような物質で、ごく微量でも生体内で大きな作用を及ぼします。
腸管に作用するTNFα
TNFαが腸の炎症に関与
クローン病の患者さんでは、TNFαが大量につくり出され、このTNFαが小腸や大腸などで炎症を引き起こしていると考えられています。この炎症によって、潰瘍などができ、腹痛や下痢などの症状があらわれます。
TNFαとは
炎症や免疫反応の関係しているサイトカイン(生体内物質の一種)です。
TNFαは
- 1)それ自体が炎症を引き起こす(直接的な炎症作用)
- 2)炎症を起こす別のサイトカインの産生を促すことにより炎症を引き起こす(間接的な炎症作用)
という作用があることから「炎症の親玉」であると考えられています。