- TOP
- クローン病の治療薬 レミケード®
- 抗TNFα抗体製剤 レミケード®
抗TNFα抗体製剤 レミケード®
- 監修:医療法人錦秀会 インフュージョンクリニック院長
伊藤 裕章 先生
クローン病において、炎症を起こすTNFαの働きを抑えるために開発されたのが抗TNFα抗体※製剤のレミケード®です。
- ※抗体=ある抗原だけに結合する性質があり、結合により抗原そのものを溶解したり、中和したりする物質(ここでは、抗原がTNFα、抗体がレミケード®になります)。レミケード®は「抗TNFα抗体」ともよばれており、レミケード®などによる治療を「抗TNFα抗体療法」といいます。
レミケード®とは
レミケード®は米国で開発された薬剤で、クローン病の症状を改善するとともに、潰瘍を治す効果や外瘻を閉鎖する効果があり、高い評価を得ています。現在、日本を含む世界100カ国以上で発売され、各種疾患で220万人の患者さんに使用されています(2014年8月現在)。
日本でも2002年にクローン病の治療薬として認可され、その翌年、関節リウマチ、その後、ベーチェット病(網膜ぶどう膜炎、腸管型・血管型・神経型)、乾癬、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、および川崎病に対しても使用が認められ、すでに約10万人以上の患者さんに投与されています(2015年12月)。
レミケード®の作用とTNFα
レミケード®は炎症の原因であるTNFαに対して、次のように作用し、その働きを抑え、効果を発揮します。
抗TNFα抗体とその作用
レミケード®治療で期待できること
レミケード®は、これまでの治療で十分な効果が得られなかったクローン病の患者さんに、継続的に高い効果が期待できる薬剤です。潰瘍を治癒する効果や外瘻を閉鎖させる効果と、長期間クローン病の症状を抑える効果が期待できます。
- 既存治療で十分な効果が得られなかった患者さんに、高い症状改善効果が期待できます。
- 継続投与によって、長期にわたり症状を抑える効果が期待できます。
- 外瘻を閉鎖させる効果が期待できます。
- 入院率、入院期間、手術率の低下が期待できます。
レミケード®投与中に効果が少し落ちてきたと感じた場合、
どうすればよいですか?
レミケード®は8週間隔で継続して投与を行いますが、一部の患者さんで次回の投与までに症状が再燃する方もおられます。
そのような患者さんでは、レミケード®の用量を上げて治療を行い、きちんと8週間隔での投与で症状をコントロールしていきます。
患者さんごとにレミケード®の用量を調節することは、全世界で一般的な使い方であり、それによって副作用が増えるという報告はありません。