ほかの患者さんの経験を知ることで、自分の悩みを解決する糸口を見つけたり、ヒントを得ることができます。是非、ご参考ください。
*UC=潰瘍性大腸炎 CD=クローン病
このカフェにはいつも一人で来るんだけど、なんだか居心地よくてリラックスできるんですよね。
ところで私は一人暮らしなので、クローン病と診断されたときも入院の手続きや準備も、全部一人でこなしたんです。両親に言うと必要以上に心配させることになると思って言いだせなくて…
みなさんは、病気のことを家族にどう報告しましたか?あとどんな反応がありましたか?
さくら (CD)
いいですよね、このカフェ。一人でのんびりするのにピッタリな落ち着いた空間だと思います。
僕は実家住まいで大学生の時に潰瘍性大腸炎を発症しました。とにかくトイレに行く回数が多くて、さすがに病院に行きました。病院には母親もついてきたので、病気の説明は一緒に聞きました。先生の話を一度聞いただけでは難しくてよく分からなかったなあ。家に帰ってネットで調べて少しずつ理解できました。母親もネットでいろいろ調べたみたいで、お互いに調べたことについて話したりしましたね。
れん (UC)
私は社会人で一人暮らしをしている時だったんですが、この病気と診断されるまでは両親には何も言ってなかったんです。実家が遠くて心配させるのも悪いなと思ったので。
潰瘍性大腸炎と診断されて、その後で連絡したら「もっと早く連絡してくれたらいいのに」と言われました。やはり両親としては、子供が困っている時には頼ってほしいようです。
その後、本格的な治療のために実家近くの病院に転院した時は、入院の手続きや準備、着替えを持ってきてもらったりといろいろと手助けをしてくれました。その時はありがたいなって思いましたね。
今は回復して一人暮らしに戻りましたが、今でも両親から電話がかかってきますよ。こちらは「大丈夫だよ」と答えていますが、声を聞くだけでも安心するみたいです。たまには僕からメールを送ってみようかな〜。
ひろと (UC)
私の場合は潰瘍性大腸炎だと分かってから、実家の両親に連絡しました。大げさに心配されることもなく「そうなんだ」くらいの落ち着いた反応でした。両親に話す前に先生や看護師さんに相談したり、ネットで調べて、これからの治療についてや、病気でもちゃんと仕事ができていること、今は普段通りに生活できていることなどいろいろと整理してから「よし、こういう感じで話すか」と準備をして話したこともよかったのですけどね。
ゆうな (UC)
うちの子どもは中学2年生なんですが、去年クローン病がみつかりました。私も潰瘍性大腸炎を診断された時にそうでしたが、本人も「なんで自分が?」と戸惑ったようでした。親の立場ではどうしてやることもできないですし、何でこんなことになっちゃったんだろう、と考え込むこともありました。先生にも「私の何がいけなかったのでしょうか」と聞きました。先生から「免疫の病気のひとつですよ。食生活が悪かったとか、遺伝は関係ないですから、お母さんの責任ではありません」と言われましたが、やはり親としては不安でしたね。でも今は、学校にも元気に行ってますし、美術部の部活動もがんばって続けているのでひと安心しています。
ゆい (UC)
クローン病とわかる前のことですが、ちょくちょく体調を崩すので病院にはよく通っていました。母親もちょっと様子がおかしいなと心配していたみたいです。
ある日病院から帰ろうと思ったら体が辛くなって一人で帰る自信がなくなり、母に連絡して迎えに来てもらったんです。その時、母と一緒に病気のことについて先生から説明を受けました。やはり一人で聞くよりも家族がそばにいるだけで心強かったですし、入院の手続きなども手伝ってもらいました。親のありがたみを感じましたね。
あおい (CD)
患者さんがご自身の病気について、家族にいつ、どういうふうに伝えるかについては、色々な考え方があると思います。
まず、病気になったという事実を自分の中で受け入れるだけでも大変ですし、家族に心配をかけないようにという思いやりから、なかなか言い出せないということもあるでしょう。しかし、潰瘍性大腸炎やクローン病は慢性の病気であり、家族や周囲の人のサポートを受けながら上手に付き合っていくことがとても大切です。
体調が悪い時などは、無理をせずになるべく早くサポートをしてくれる人に伝えましょう。
監修:兵庫医科大学 炎症性腸疾患学講座内科部門 樋田 信幸 先生
※潰瘍性大腸炎、クローン病患者さんへの取材をもとに、プライバシー保護のため、一部内容を改変して制作しています。